短編集
『ええぇぇっ!』
クラス中の私と暁君を除いた、生徒たち(先生含む)の叫びが見事にハモる。
合唱コンでできたら金賞かな。
じゃなくて。
「なんで私?」
「いや、その、このクラスで話したことある女子は依紗那だけだったから」
そんな理由か。
周りからは、囁き声で、
(今下の名前だよな)
(あの二人仲いいの?)
などと変な話で盛り上がってしまっていて居心地が悪い。
「そう。わかった。」
断れないだろうし。
「お、サンキューな」
というわけで決まってしまったらしい。
委員長は暁君で、副委員長が私で。
★
昼休み。
私は学食へ向かう。
弁当は作るの面倒くさいから。
日替わり定食がオススメ。
量もあるし、毎日違うおかずがでてきて、400円と良心的な値段。
今日はカツ定食のようらしい。
日替わりと言っても変わるのはおかずだけだけど。