憂鬱なる王子に愛を捧ぐ
「いいって何!?もしかして手伝ってくれるの?」
食い下がってそう聞く。
頼みの綱をそうやすやすと離してたまるか。そもそも、あたしの課題ごときで先輩達のお手を煩わすのも気が引けるし。
尚は、にこりと笑ってあたしを見る。
「いいよ」
「やったー!恩に着ます!!」
「……そんなもの着なくていいよ。タダじゃやらないから」
喜びに飛び跳ねたあたしは、予想外のことに「え」と声を漏らす。
「お金取る気?」
「そんなものいらない。ひとつ、頼みたいことがあるんだ」
「ヤらしいことじゃないならいいよ」
思わず言えば、尚は心底迷惑そうに肩を竦めながら「勘弁してよ」といった。ほんと失礼なやつ!
まあ、アメリカから帰国したばかりで色々大変だろうから、身の回りの手伝いとかそういうことだろう。勝手に予想をつけて頷く。