大人的恋愛事情
反対の手で箸置きを掴み、テーブルをトントンとそれで軽く叩きながら微かに笑う。
「最初で最後のチャンスだと思った気がする」
「大袈裟じゃない?」
最初で最後って……。
「大袈裟でもねえよ。男はいるし、接点ねえしで、今までどうしようもなかったからな」
持っていた箸置きを無造作に手放し、視線は私に向けたまま、付いていた肘を放し身体を起こす。
「だからあの日は、そんな相手を抱けると思っただけでもイキそうだったよ」
サラッと信じられない言葉を言われて、思わず視線を避ける。