大人的恋愛事情
 
「いや、知ってるけど……」



「確か同期じゃありません? 詩織さんと繭さんの同期だと……」



「違うよ、一つ上なんじゃないかな?」



ベッドでそんな話しをしたような気がして、思わずそう口に出すと美貴ちゃんがニヤッと笑った。



「知りませんでしたよ、繭さんそんなこと一言も言ってくれないし」



ニヤつかれて、どう返そうか考える。



「ちょっと、なにを? え、藤井って……あの企画部推進課の?」



詩織が慌てて美貴ちゃんに聞き返す。



「そうですよ、二人で店出て行くの見ましたから」



「えぇっ! どうして? 繭知り合いだった?」



早々と着替え終わった私は、バタンとロッカーを閉めて振り返りそこに凭れた。
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