大人的恋愛事情
 
まだ着替えている二人を交互に見ながら、どうせ言い逃れは出来ないと諦める。



「そうよ誘われて、ホテルに行ったの。たいして酔ってたわけでもなく、なんとなくいいかと思っただけ。エッチは悪くなかったし、変な性癖もなかったし普通の男だった。次の約束はしてないし、携帯も知らないままだし、今後付き合う予定もない。……以上終わり」



二人が聞きたいだろう事を簡潔に伝えて、私はロッカールームを出た。



「なぁんだ、面白くない……」



「ちょっと繭さんっ、それって勿体ないですよっ!」



美貴ちゃんの声が後ろから聞こえて、また重い溜息が出た。



なにがどう勿体ないのか……。



ロッカールームを出て、フロアの廊下に出た。
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