大人的恋愛事情
それほどあの日とは違うやり方に、戸惑うばかりで。
「待っ……ねえっ……」
下着に入るその指先は、そこにしか興味がないらしく、その一点だけを煽られ身体を這いあがる本能的な快感に足が震える。
そんな私を支える気もない男の空いた手は、無造作にシンクに軽く置かれていて、そんな態度にさらなる不安が胸を支配する。
後ろに仰け反る体勢で、その頭を引き寄せようとしても、まったく反応されず次第に自分が崩れないように縋っているだけの行為になる。
先ほどのように肩に頭を乗せられたら……。
優しく後ろからキスでもしてくれたら……。
せめて身体を支える為、空いた手で抱きしめてくれたら……。