大人的恋愛事情
そんな望みは叶うことないまま息が乱れ、気持ちが伴わないまま身体の快感だけが加速する。
顔が見えないので、なにを考えているのかわからないことへの不安。
それなのに身体を貫く痺れは、的確な指の動きに翻弄される。
それだけを目的とした行為は、早過ぎてついて行けないというのに、与えられる刺激に身体は従順に反応しだす。
「あぁっ……待っ……」
もはや立っていることも怪しくなり、後ろに回した手を放し慌ててシンクの淵を握り絞める。
片手はシンクを握り、もう片方の手は強引な藤井祥悟の腕を止めようとしているのか、それを強く握り掴む。
不安を感じながらも強制的に与えられられる快楽に、身体はガクガクと震えだす。