大人的恋愛事情
 
その表情だけで感じられるようになるところまで来ている私は、藤井祥悟の呟く声に思わず笑ってしまう。



「その顔で見上げるな、本気でヤバイ」



そのまま返したい言葉に、笑いながら本音を晒す。



「そろそろ限界なんだけど」



「早くねえか?」



「そっちは限界超えてそうだけど?」



「そうだな、今なら入れただけでイケる気がする」



「それでもいいから早くしてよ。もう待てない」



「それあいつにも言ったのか?」



思わず聞いてしまったというような感じの藤井祥悟が、私から視線を外し、顔を背け呆れたように呟いた。



「俺、なにやってんだ?」



29歳の男の嫉妬は、わかりにくようでわかりやすいらしい。
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