大人的恋愛事情
 
優しく胸を包む手の動きは、何かを仕掛けるものでもなく、まるで大切なものを確認するかのような柔らかい動き。



そして少し身体を起こしてきて、胸にあった手を放し背中を向けて横を向いている私の頬や耳に掛かる髪を優しく梳く。



現れる頬に唇を寄せてくる仕草に、身体がジワッと熱を持った。



その熱は身体の芯ではなく胸の奥に明りを灯す。



もう一度手が胸に戻り優しく包む。



上から耳近くの頬に藤井祥悟の唇が、強くもなく弱くもない力で押しつけられる。



時間にすると数秒。



それでも軽くキスをする時間にしては、長いだろう数秒の甘いキス。
< 241 / 630 >

この作品をシェア

pagetop