大人的恋愛事情
熱いのか冷たいのかよくわからない視線が私を真っ直ぐに見ていて……。
「……なに?」
肩越しに振り返りそう聞くと、一瞬の後フッと笑ってなんでもないというように小さく首を振った。
静かに寝室を出て行く男は、ジワリジワリと私を捉えようとしている。
圭とは違うやり方で……。
静かにゆっくり心地よく、私の中に入って来る男をどこまで無視し続けられるだろう?
警報は小さな点滅を繰り返していても、それが大きく鳴り響くことはない。
警報の感知に触れないよう、慎重に静かに進んでくる男。
肌触りのいい毛布に包まれながら、見た目の印象とは違い穏やかで優しい男の温もりに、どこまで逆い続けることができるのか自信がなくなっていた。