大人的恋愛事情
「今、それどうでもいいですよ。何なんですか? ホテル行ったんでしょ? そういうことしたんですよね?」
そう言われて美貴ちゃんの言いたいこともわからないでもないので、目の前のサンドイッチを食べながら頷く。
まあ確かに、間違いなくそういう事はしたけど……。
「そんなことしておいて、なにもないとか意味がわかりませんよ」
納得がいかないのか不満そうな声を出す美貴ちゃんに、どう説明すればいいのか。
「向こうはなんて?」
詩織が美貴ちゃんの気持ちを察してかどうかはわからないけれど、静かに聞いてくるのでコーヒーに手を伸ばしながら仕方なく小さく答える。
「別に……好き的なこと言ってたかも」