大人的恋愛事情
 
「そうなの? それじゃあ話かわってくるよっ」



突然興味が出てきたのか、カフェの椅子から乗り出すようにする詩織の視線を避ける。



なんだか急に食欲がなくなった気がしながらも、サンドイッチを手に取り声を出す。



「かわってこないわよ。てか、それもホントかどうかわからないから。ベッドでの話なんてどこまで信じて……」



「ホントだったらどうするんですか?」



美貴ちゃんが勢い込んで聞いてくるので、軽く返す。



「どうもしない」



「でも、そういうことしたんですよね? それなのにどうもしないってどういう……」



不思議そうな美貴ちゃんの言葉が、藤井祥悟と同じなことに思わず笑いそうになる。
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