大人的恋愛事情
 
喉が追い詰められ、ムセそうになるのを我慢しながら、そのお湯を音を立てて飲み込んだ時、突然キスが離された。



「マジでエロいな。……なんなんだ?」



その言い方が本当に不思議そうな言い方だったので、思わず笑ってしまった。



そんな私の身体をまた前に向かせて、シャンプーを手に取って髪を洗いだす。



「イメージ違ったわ」



「そう?」



「ああ、真面目で堅いのかと思ってた」



「そう? じゃあ残念だったね」



誰とでも寝るみたいに思われるのもどうかと思うけれど、今さらこの男にそれを隠す気にもならないので、軽く返すと私の頭を洗う男が後ろで微かに笑った。
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