大人的恋愛事情
掴んだ手をゆっくり放し、相変わらず視線は私を見ることはないままで呟いた。
「明日行けねえな」
手が放されたので、小さなキッチンに入り答える。
「忙しいの?」
「そうでもねえ」
「じゃあ休めば? 熱もまだあるみたいだし」
買って来たそばを冷蔵庫から出しながら返すと、ソファで同じ姿勢のままの圭が声を出す。
「いや、やっぱ行く」
独り言のように呟くので、どうでもいいと思いながらそれには返さずにそばを作る。
どうして私が?
当然のようにこんなことをしている自分に呆れる。