大人的恋愛事情
 
熱のためか、いつもは奥に冷たい光りを宿す瞳が、今は少し潤んで見えて。



「食ったら帰るわ」



いつもは強引な男のそんな言葉は、ズルイと思う。



どう考えても帰ってくれた方がいいし。



どう考えても私の知った事でもないし。



どれほど熱があっても、私には何の関係もないし。



どう考えても、自業自得なのに……。



「熱下がってからにしたら?」



「迷惑だろ?」



「……」



「怒ってるみたいだし、許しても貰ってねえし。この時間だと熱下がるの待ってたら、泊ることに……」



「いい」
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