大人的恋愛事情
「繭も食うか?」
呑気な声で私の言葉を無視して聞いてくる圭に、疲れた気分がさらに増した。
年が明けてまだ一カ月も経っていないというのに。
去年の暮れまでのどこまでも平穏だった日常は、今やすっかりどこかへ行ってしまっていて……。
「昼まで寝てた」
「そう」
「一回起きたんだけどまた寝た」
「そう」
「んで、さっきまた起きた」
「そう」
「で、食う?」
「熱ないの?」
「繭の献身的な看病のおかげで下がった」