大人的恋愛事情
惚けるように返してみても、同期で何年も一緒に働いてきた親友と呼べる相手に通用するわけもなく。
「いつもの繭らしくないじゃない」
「そう?」
「そうよ、人目を避けるとか変じゃない?」
「そう?」
「何があったのよ」
「言ったじゃない、結婚しよう……」
「それだけ?」
私の言葉を遮って、伺うように聞いてくる詩織の視線を避け、お湯呑みを手に取り熱いお茶をすすってみたりなんかしてみる。
詩織の隣で食い入るようにメニューを見ている美貴ちゃんが、驚く声を出す。