大人的恋愛事情
私の言葉にフッと笑った男が、軽く声を出した。
『可愛くねえな……。じゃあそこで』
そう言って切られた電話を、唖然と見つめる。
はあ?
可愛くないって……。
だったら誘うなよっ!
腹立たしさに、少し強めに受話器を置くと、隣に戻って来た美貴ちゃんが不思議そうに首を傾げた。
「何怒ってるんですか?」
「怒ってないわよっ!」
「……どうしたんですか?」
その声を無視しながら、いよいよあの日の軽率な自分の行動を後悔していた。