大人的恋愛事情
「おはようございます」
思わず邪魔にならないよう、一歩横に下がって頭を下げる。
「荒川さん、結婚決まったそうね。おめでとう」
「ありがとうございます」
慌てて詩織も同じように頭を下げてそう言う。
「仕事は、続けるの?」
「いえ……退職しようかと……」
「そう、残念ね」
まったく残念そうでもなく、アッサリと言われる詩織。
「でもまあ、それも人生ね」
なんて軽くどうでもいいように言いながら、歩き続けるパーフェクト氷室が自動ドアをくぐり抜ける時、何かを思い出したように振り返った。