大人的恋愛事情
 
「ああ、佐野さん」



「はい……」



「荒川さんの分も、頑張って頂戴ね。あなたはまだ仕事続けられるみたいだし。期待してるわよ」



なんて言いながら、外へ出て行くパーフェクト氷室。



その颯爽とした姿を見送りながら、唖然とする。



どう考えても嫌味だったんじゃない?



社内メールが流れなくなって、当分の間私の結婚はなくなったと思われているってこと。



まあ、結婚してもすぐには仕事を辞めたいとも思っていないけど……。



「期待してるわよ」



なんてことを言いながら笑って私の肩を軽く叩いて、歩きだす手堅い余裕の女に思わず声を出す。



「馬鹿にしてるの?」



「まさか、パーフェクト氷室に期待されてるなんて羨ましいと思ってんのよ」



とかなんとか言う詩織に、やっぱり馬鹿にされている気がした。
< 459 / 630 >

この作品をシェア

pagetop