大人的恋愛事情
「ああ、佐野さん」
「はい……」
「荒川さんの分も、頑張って頂戴ね。あなたはまだ仕事続けられるみたいだし。期待してるわよ」
なんて言いながら、外へ出て行くパーフェクト氷室。
その颯爽とした姿を見送りながら、唖然とする。
どう考えても嫌味だったんじゃない?
社内メールが流れなくなって、当分の間私の結婚はなくなったと思われているってこと。
まあ、結婚してもすぐには仕事を辞めたいとも思っていないけど……。
「期待してるわよ」
なんてことを言いながら笑って私の肩を軽く叩いて、歩きだす手堅い余裕の女に思わず声を出す。
「馬鹿にしてるの?」
「まさか、パーフェクト氷室に期待されてるなんて羨ましいと思ってんのよ」
とかなんとか言う詩織に、やっぱり馬鹿にされている気がした。