大人的恋愛事情
「寝たのかよ……」
思わず呟くと、動くわけでもなく目を開けるわけでもない繭が声だけを出す。
「寝てない……」
いかにも眠そうな声に、可愛いと思える単純な俺は、ベッドに腰かけその顔を見つめる。
綺麗な顔にかかる髪を払うと、ピクリと動く瞼。
「服脱いで寝た方がよくないか?」
まだ起きているはずの繭にそう言うと、同じく目を閉じたまま微かに笑う。
「脱がして」
「俺が?」
「うん」
一瞬躊躇っていると、目を閉じたまま手を動かし自分で服を脱ぎ出す。
「ここで脱ぐなよ」
動揺する俺が思わずそう言うと、閉じていた目がゆっくりと開いた。
ベッドの横に腰かけ見下ろす俺を、少し冷めたその瞳が捉えると言いようのない欲望が湧き上がる。