大人的恋愛事情
「おめでとう」
「え? どうして……」
知ってたの?
唖然と腕を絡ませたまま、藤井祥悟を見上げていると微かに笑う。
「昨日、室長に教えられた」
室長って?
パーフェクトでもなかった氷室室長の事?
「そうなの?」
驚いて聞く私を、ケーキの置かれるテーブルまで連れて行き、自分はコートを脱ぎ出す。
「エレベーターで偶然会った時に、明日は繭の誕生日のはずだから、ちゃんと祝ってやれって言われたよ。つーか、何で言わねえんだ?」
コートを脱ぎ出すので、絡めていた腕を離しテーブルに置かれるリボンの掛かるケーキの前に座る。