大人的恋愛事情
 
もちろんカフェへ辿り着くまでも、着いた先でも好奇の視線に晒されて溜息しか出ない。



「何食う?」



「カツサンド」



「飲み物は?」



「ホットミルク」



完全に開き直った気分になった私は、空いた席に座り藤井祥悟の質問に簡潔に答える。



そして注文通りのものをトレーに乗せて戻って来る男が、何故か私の隣に座った。



向かいには詩織と美貴ちゃん。



周囲の視線はそんな私達に釘付けになっている。



「やっぱ繭さんってSですよね」



「確かに……、足組んで待ってるとか、ある意味凄いよね」
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