crocus
ショートケーキ馬鹿と家族と名前
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翔と祥と再会した。
身長はうんと高くなっていて、中学生の頃と同じ黒髪のままで、相変わらず眉目秀麗だった。
だからなのか簡単に当時の校門前に立たされた。当然2人の悲しい目を見た胸の痛みも、あの時のまま再現された。
目の前に現れた今の2人の目に映るボクはどう思われているのか、物凄く怖くなった。
上矢誠吾は最低で、気持ち悪くて、無神経な裏切り者。
2人の心境を勝手に推測して当てはめてみれば、360度あらゆる方向から2人の声が再生されて繰り返される。
まんまと罠にはまって、抜け出せなくなった。自分で自分の首を絞めていることにも気づかないで。
一刻も早く心の内側から囁く翔と祥の声から逃げ出したかった。この場を一度離れれば開放される気がしたけれど、手を握ってきた若葉ちゃんがそれを許してくれなかった。
タスケテ クレナイ ノ?
心強いと思っていたはずの味方がいなくなった場所は、とても寒く感じた。