恋ってよんでもいいですか?
隼人くんは


いつものように


抱きしめることも


キスすることもなく


ただじっと私の右手を握りしめ


私が泣きやむのを待っている。


私をずっと見つめたまま。


それが愛情ゆえのものだと勘違いしてしまいそうになるくらい


悲しさと切なさでいっぱいの瞳で私を見つめていた。



愛だったらいいのに。





隼人くんの心の中には最初から罪悪感とか同情以外のものはなかったんだと気づいたばかりなのに、そんな愚かなことを願う自分がいた。



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