恋ってよんでもいいですか?
どれくらいの時間、そうしてくれていたんだろう。


隼人くんがまだ何か話したいのはわかっている。


次から次へと溢れる涙は止まらない。


だけど、続きがあるのなら全て話して欲しかった。


今すぐに。


顔を上げ、涙を拭き、唇を噛んで、涙を止める。


せめて10秒、この涙を止めることができたら、隼人くんは話してくれるだろう。


1、2、3、4、5、…


心の中で数える。


ちょうど10秒、隼人くんの声が耳に届いた。


「わこちゃん、もう少し、聞いてくれる?」


私は大きく息を吸い込んで頷いた。
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