スピン☆オフ
「だって、このコの言う通りじゃん?!ふっつ~に考えて、自分を襲わせた男と付き合うなんて、相当バカか?相当頭おかしいか?だろ?」


「分んないじゃないかよ!!!」


「オレだったら、そんな女遠慮するね。」


「う~ん…。」


なんか悩み始めた。


「ところで、お嬢さん?!お名前は?」


尚吾の横をヒョイっと抜けて出てきた。


「なんで、あんた達に答えなきゃいけないかな?」


「お礼させてください。」


イケメン君がニッコリと笑った。


「いらないし…。関わらないで欲しいくらい。」


無表情のあたし。


「いやいや、恩人にきちんとお礼はしたい主義なんだ。」


「…。」


「秀一です。栗沢秀一…〔クリサワ・シュウイチ〕。ちゃんと自己紹介してなかったね。」


相変わらずイケメン・スマイルで右手を出してきた。


なんか、この笑顔が胡散臭いと思うのは、あたしだけ?


だけど、ジッと瞬きせず笑顔で右手を出していて。


「…紗羽。」


良心に訴えられてしまった。


「よろしくね。」


そう言って、あたしの右手を掴むと優しく握ってくれた。


イケメン君の握手してくれた手は、本当に心地良い温かさで…。


抱きしめられた腕と同じくらい温かかった。


「ずるいぞ!!秀!!」


恨めしそうな顔で、じ~っとこっちを見ている尚吾。


「当たり前だろ?尚吾は酷い事しちゃったんだから。」


「あぁ~いいなぁ~!!」


半分、泣きそうな声。


「ところで、紗羽ちゃんていくつなの?」


「…14。」


ふてぶてしく答えた。


「そりゃ、尚吾は立派なロリコンだ。」


笑って尚吾の顔を見てる。


イケメン君が女の子にモテる意味が、よ~く分った…。
< 135 / 298 >

この作品をシェア

pagetop