その妖、危険につき
廉はちらりと私に視線をやると、すぐにまたプリントを見始めた。


「何してるの?」

「勉強。レポートあるから」

「…廉って、意外にまじめに大学行ってるよね」

はじめはポーズなのかと思っていたけど、どうやら真面目に授業に出ているみたいだ。


「…おもしれーぞ、大学は。なんてったって、女がよりどりみどりだ」

私のことなんてちらりとも見ずに、しらっと答える。



前言撤回。廉がまじめだなんて考えた私が馬鹿だった。まともに取りあうのは時間の無駄だ。


「ふーん」

どんなプリントなんだろうと覗きこむと、途端に廉が避けた。あからさまな拒絶だった。
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