好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕
高さは大したことないが

頭から落ちたのは自分でも分かった。


俺は羽のようにゆっくりふわりと落ちていく感覚を味わった。


走馬灯というのか


目の前で映画のスクリーンのように自分の過去が映し出された。


「ああ……」



彼女だ。


周りには子どもらがピアノに沿って歌っていて


彼女は楽しそうにピアノを弾く。



なんて美しいんだろう。


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