君を護れるのは俺だけだって信じてるから【BL】
俺を押さえつけるように一緒に倒れこんできた兄ちゃんは自分の唇を俺の唇へと近づける。
「ごめんな」
触れると思った直前に止まって、一言謝ってきた。
……キス、されるのかと思った。
こんなにも近いのは何か理由があるんだろうか。
それに、謝ってきた訳も。
「……兄ちゃん?」
何か答えが欲しい。
しかし沈黙は破られない。
俺が呼びかけると同時に、ドアの向こうからも兄ちゃんの名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
そう君はまだ帰ってはいないらしい。
兄ちゃんはどちらも無視をするように、ただ黙って俺の頭を撫でた。
顔はいまだ近いままだ。
本当、何なんだろう。
頬に髪が触れてくすぐったいし。
抗議しようと口を開けると、
今度こそ唇に生ぬるい体温が触れた。
こんなよく解らない状態で、俺はファーストキスを奪われた。
いや、奪われている。
現在進行形で。