夫婦ごっこ

「待って…待ってって……。」

「いいんだろ？もったいつけんなよ。
誰とでもやるんだろ？」

格好つけたくて
強がってみんなとの下ネタにも
積極的に入って
まるで経験豊富みたいなことを
言ってたっけ私……。

今さら…
経験無ですって言ったって
始まらない……。

「治は？戻ってくるの？」

「部屋借りてんの。」

「借りた？」

「おまえとやりたいからさ。」


　　やだ　絶対やだ

私だって夢がある……。
隆弘じゃ……絶対無理……。


「じゃあ…時間あるんだ。
お風呂…借りようよ。」

私は隆弘のＴシャツをつかんだ。


「風呂…?」

「汗ばんでてやじゃん…。」

　　お願い…ひっかかって……

「面倒だな……。」

「どうせやるんなら…ゆっくり
楽しもうよ……。」

背筋が寒くなったけど　隆弘の
頬にキスをした。