夫婦ごっこ
恒くんがいつ帰って来たのかはわからないけど
朝までぐっすり寝ていた私は
目ざましのアラームで7時に起きた。

平日の仕事はやっぱり疲れてるんだなって
まったく起きない自分をほめてあげた。

お米がたけて私はビオンの歌を歌いながら
恒くんの好きな鮭のおにぎりをにぎっていると
玄関から罰の悪い顔をして
恒くんがスーツ姿で入って来た。


「え?」となりの部屋で寝てると疑ってなかったから
私は今一つ状況が飲み込めなかった。

「ただいま・・・・。」

「え?ただいまって…今?今帰って来たの?」

「ごめん…会社で寝ちゃったんだよね。」

恒くんはすぐに背を向けて部屋に入って行った。

「寝ちゃったって……。」

下手なドラマの夫が不倫を隠すための言い訳みたい。


「少し…寝てもいいかな。
出発は10時だよね。9時半になったら起こして。」


そう言うと部屋のドアをピシャリと閉めた。


私は一人取り残されてボーっとしていた。
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