夫婦ごっこ
皮肉なことだった。


愛に気づいた時に 別れが来る。
俺はいつもそうだ。


今回の千鶴とのことは一つも教訓になっていないと
車の中で苦笑した。

だけど紅波があの男を選ぶなら
おれは潔く


背中を押してやろう。

そう決意した時だった。


「キャー!!!」

悲鳴が聞こえて 俺は信号で何かがあったのかと
車を飛び出る。


「女の子が!!」

車の横に吹っ飛ばされた 人が転がっていた。
その人を見た時 からだじゅうが凍った。

「紅波?紅!!!」


グッタリとしてる紅波から血が流れ出していた。


「嘘だろ・・・・。」

やっと何が大切なのかを悟った時だった。


「救急車呼んでくれ~~。」


俺は冷たい路面に転がる紅波を腕に抱いた。


「バカ……。」


紅波は意識不明になっていた。
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