夫婦ごっこ
このまま時が止まればいい

俺はそう思っていた。
近くに紅波を感じる……。
その安心感は今まで 俺の知らなかった感覚だった。


  どうして誤解を解かないんだろう

  愛想尽かしたのか

  疲れてしまったのか


優しい言葉の一つもかけなかった冷酷な自分を恥じた。

そしてほかの女のケツを追って
ぐちぐち悩んでる自分を最低だと思った。


「ごめんな 紅波。
いっぱい傷つけて……俺…ほんともっとサイテーだな。」

安らかな寝息の紅波。


「どこにも……行くなよ。」


目を覚ました紅波に 言えばいいだろう俺……。


どれだけ傷つけてきたんだろう。
そう思うといたたまれなかった。
自分が逆だったら とっくに愛想尽かして別れてるよな。


  だから愛想尽かしちゃったのか?


「紅波……ごめんな……。」


紅色に染まった頬にキスをする。


「抱きてぇぇ・・・・・・。」

俺は・・・・こんなに紅波を愛してるって…やっと理解した。
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