夫婦ごっこ
「ソファーベット。誰か来る時はソファーにしたら
俺の書斎ってごまかせるだろ。紅波の部屋が一応
夫婦の寝室ってことでダブルベットにした。」

「なんか悪いね。」

「俺もそう思う。」

おかしくてクスクス笑った。

「何?」

「なんか…ごめんね~~。
ゆっくりぐっすり眠れそう~~。」

テレビもあるし……
ドレッサーもあるし…
至れり尽くせり…無いものは愛だけ…。

肝心なものがここには無い。

それもおかしかった。


「何がそんなにおかしいんだ?」


「だってここには恒くんのおかげで
結婚生活に大事なものがたくさんあるのに
一番無きゃいけないものがないんだもん。」

「え?洗濯機?それならもうすぐ来るよ。」

キョトンとしてる恒くんがおかしくて
また私はケタケタ笑った。

「違うよ~~。
正解は愛だよ~~。」

恒くんも笑いだした。

「ホントだ。それ重要だな。」

恒くんも大笑い。
なんでかな……私の胸がキュンってまたいった。
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