夫婦ごっこ
住人の年齢はまちまちだった。
そんな中でも私の年齢はかなりの話題だったらしく

「可愛い奥さま」と言われ悪い気はしない。

一応高校を卒業してすぐ結婚したことになっている。
上司の家も多いようで 私はかなり疲れてきてた。

最後に回るのは向かいの家だった。
家を出た時に
「ここから行くんでしょ?」と言うと

「ここ最後でいいだろ。効率よく行こうよ。」

  そういう考えかたもあるか…

だけどちょっと他の家とは違う気がした。

「どうしたの?」

「え?別に…ちょっと喋りつかれたわ。
最後だからな……。」

そう言うとインターフォンを押した。

「はい。」元気な声

途中から私は住人を声で想像する遊びを始めていた。


  この人けっこう若い声だ

「おぅ!!待ってたぞ~。」

勢いよく扉が開いた。
明るくて元気な声が廊下に響いた。
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