夫婦ごっこ
会社の二次会を途中で失礼して
次に 大学の友人たちの待つ居酒屋に行った。

「紅波 疲れたろう。」

「うん……。」

お酒も飲めず場の凄さにかなり疲れていた。

「挨拶したら先にホテルにもどっていいよ。」

「うん。」ため息……。

あれからずっと恒くんにほったらかされてて
かなり私はムカついていた。


だって結局発起人さんたちは気は使ってくれるけど
仕事の話で盛り上がって
私はひたすら目のまえのフルーツとソフトドリンクを
口に運ぶしかない。

ただここで得た情報と言えば
恒くんが野心家でエリートで出世するということ

だから奥さんはしっかり夫をサポートする

と言う事だった。

今しか知らない人は恒くんをそう思うけど
私が知ってるもう一人の恒くんは

チャラ男で茶髪ロン毛女はかけ持ち
中学生の年頃の女の子にまで自慢の腹筋を見せていた。
  絶対こういう男とはつきあえない

私が強烈に軽い男を嫌いになったきっかけでもあった。

ここにいる恒くんが本当なのか
それとも……


人間はそう簡単に変われるものなのかなと……。


「トイレ寄っていい?
先に入ってて。」

恒くんは店に入って行った。
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