キミ色季節。【完】

「…」




「…戻る」




あたしは麗さんの手を振り払って
会場に戻った。








いつのまにか会は
終わっていたようで、





「あ、杏香。片付けいいから、帰っていいよぉ~♪」





「…うん」


にっこりと微笑まれる。





邪魔者はさっさと帰ろう…







帰るにはまだ麗さんのいるだろう場所を通らなければいけないけど…










「…帰んの?」





「はい。」








あたしは振り返りもせずに
外に出た。














































「…―っ…うぅ…」









麗さん…







麗さんのおかげで
陸上部でよかったって
思えるよ…




これからもどんなに辛くても
麗さんに出会えただけで
この部活でよかったんだって…






だから



ありがとう…











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