キミ色季節。【完】



「…っもしもし!」




玄関を開けると
家の前にいるのは麗さんで。




《合格発表見たか?》
なんて、呑気なお父さんは電話の向こうで言う。


「見たけど、よく見方わかんないんだけど!」


《お前何番?》

「1036」




「ねぇ、誰と電話してんの?」




あたしは少し麗さんを見てすぐに電話に意識を戻した。



《なかったぞ、番号》

「…嘘でしょ。」

《あははっ》

「笑い事じゃないんだけど。てか併願であたし落ちるわけないし。」

《わかんねえよ?笑》

「まったく…じゃ切るから」






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