まだ、君を愛してる.doc
「ここも教えてもらえるかな?」
角田部長は聞いてくる。こうやって仕事の事も聞いてくるが、この四時間のうち、八割以上は無駄話だ。とっくに終わっていいはずの商談は、いつになったら終わるのか、全く以て想像できない。
温泉への立ち寄りも諦めよう。思わずため息がこぼれそうになった。
「じゃ、これでお願いします。」
危なかった。ここで本当にため息をついていたら、契約は取れなかった。角田部長に従い、この無限とも思える商談に付き合ったからこそ、今日の商談はうまくいったのだ。
「ありがとうございます!」
ありったけの声で、感謝の気持ちを述べた。でも、これは僕にとっては余計な事だった。
「ははは・・・。元気がいいですねぇ。どうですか?これから飲みにでも行きませんか?」
わかっていない。いくら疑問形であろうとも、僕には命令形にしかならないのだ。
「あ、はい。行きましょう。」
心の中で泣きながら、僕は角田部長に付き合う事になった。まだまだ、この長話に付き合わなければならないと思うと、憂鬱で憂鬱でならなかった。
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