ひきこもり女学生の脳内断面図
小心者の私がこんな綱渡りに挑むなど、ものすごいことである。
「あ、あの・・・・」
「うん?どうしたどうした・・・」
先生も先生で下を向いている私になだめるような口調で言う。
私は左手に持っていた赤い箱を確認する。
「あの・・・今日はば・ば・ば・ば・・・」
「今日はバレンタインですから」と言う言葉がうまく出ず、不自然に「ば」ばかりを連発する。うまくいったように見えてもどこか奇怪な部分があるのは、私が奇人だからである。
「ば?」
何のことか知ってか知らずか先生はそう聞き返す。
「あ・・・はい。「ば」です」
そう言って私は、赤い箱を先生の前にそっと差し出した。