ひきこもり女学生の脳内断面図
そうしてチョコを渡し終え廊下に残っている私の肩を、誰かが叩いた。
「今日授業あったのか。偶然だな」
「あぁっ!ジロー!」
そこにはあの時の浪人生がいた。彼もまた授業を終えたのか。
「ラッキーだね、ほんとにラッキーだよジロー!」
「なんだ?どうしたんだ、そんな嬉しそうにして・・・」
私は鞄からジローに作ったチョコを渡したのだ。
「はい!今日はバレンタインだから・・・よかったよ渡せて」
「お、おう。あ、ありがとな。て、手作りか?」
「ふふっそうだよ。一生懸命作ったから・・・」
あまりにもぎこちないジローの様子を見て私は、思わず笑ってしまった。