美加、時空を越えて
「そうですね、地獄ですね」
美加が、店員に向かって言った。
「箱はこれになりませんか?
リボンはこっちのピンクで……。」

「別になんでもいいと思うけど、どうせ捨てちゃうんでしょ」

「間違っても包み紙無しはやめにした方がいいですよ。
開くときに、わぁ何が入っているのかな
っていうのが楽しいんですから」

「あれ、そうなの」

「そうするとデリカシ-のない人だって、美加ちゃんの頭にインプットされるんです」

「その忠告、もっと早くに聞いておくべきだったな。
もうしっかり美加の頭にインプットされているよ」

(こういうところって本当変わらない)

楽しい1日だった。

焼肉屋でも美加と光は笑い転げた。
(今日が終わらなければいい)

美加は、守にさよならというといつまでも後姿を見送った。
ちりっと熱く焼けたように胸が痛む。
身体の半身を無理矢理離したように切ない。
それでもスイーツのような甘さがある。
なんなんだろうこの感覚は……。
今度はいつ逢えるんだろう。
それとももう逢えないのか?

美加は電車に乗ると今日の出来事を1つ1つ思い出しながら、身体の細胞1つ1つが溶けいていきそうな幸せな気分に浸っていた。


いつの間にか、瞳の家に着いていた。

瞳が1人でリビングでくつろいでいる。

「あれ、光は?」

「多分美加ちゃんと一緒ですよ。
さっき電話があったから。
車を貸してありますから自分で戻ってくると思いますよ」

暫くして光が帰ってくる。

瞳「遅かったわね」

光「ああ、美加ちゃんと偶然会ってね。
一緒にディナ-でもどうって誘ったらついてきたよ」

美加「楽しかった?」

光「僕のエスコ-トは完璧だからね。
楽しんでくれたと思うよ」












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