美加、時空を越えて
学者がコーヒーを片手に言った言葉を美加は思い出していた。
「同志よ。
君にとって1番辛い事は何だね?」
美加が学者をまっすぐ見て答えた。
「守がここにいない事。
そして守が、私のせいで死んだこと……」
コーヒーをテーブルの上に置くと学者は、言葉を続けた。
「多分2番目の扉は人の生死に係る事柄だと僕は思う。
時空の扉自体が今から僕達が起こそうとしていることへの罰なんだ。
本当は僕達が起こす事柄の次に時空の扉があるべきなんだが……。
先に罰を受け取らなければ僕達が起こす事柄は成就しない。
しかし、罰を受け入れる覚悟があれば、可能だ。
他に人を亡くした事はあるかい?
自分の責任だと思い込んでいる事で……」
美加が考え込んで言う。
「守だけだと思うけど……」
コーヒーのおかわりを作り美加に手渡しながら学者が言う。
「そうか。ならば君の心の奥が見えるかな?
何にせよ、時空の扉は君を試すだろう。
目を背けなければ 2番目の扉から出られる。
しかし、目を閉じてしまったら そこで終わりだ。
君はたとえ出られたとしても相当の傷を負うことになる」
「目をそむけないで、しっかりと見ればいいのね?」
「簡単にはいかないと思うが、受け入れる事が、出来れば大丈夫だ」
美加はふーっと息をついた。
(又、見たくない自分を見なければいけない)
前にここに来たとき、美加は自分の過去生を見た。
過去生を見、過去生と1つになる事は、非常に辛い体験だった。
誰が自分が大罪を犯した人物だったと認めたいだろう。
たとえ過去生だったとしても……。
自分にも他人にも隠しておきたい。
というよりありえない事と思いたい。
しかしここで時空の扉は現実を突きつける。
美加の過去生の武将は、日本の戦国時代、沢山の人を殺した。
その過去生の自分である武将を美加は許すことが出来なかった、というより私ではないと拒否した。
そして、扉の向こうでは、戦国の武将であった美加と、殺されていく人の痛みを同時に味わった。
殺されていく兵士と殺す武将、それも100人以上の恨みや悲しみが美加の心に、一気に流れていくのだ。
前に来たときには、それに耐え切れず、思わず逃げ出してしまった。
その結果3番目の扉の中で、自責と後悔の念で、集中することが出来ず、瀕死の重傷をおったのだ。
瞑想ではとにかく何も考えない。
「同志よ。
君にとって1番辛い事は何だね?」
美加が学者をまっすぐ見て答えた。
「守がここにいない事。
そして守が、私のせいで死んだこと……」
コーヒーをテーブルの上に置くと学者は、言葉を続けた。
「多分2番目の扉は人の生死に係る事柄だと僕は思う。
時空の扉自体が今から僕達が起こそうとしていることへの罰なんだ。
本当は僕達が起こす事柄の次に時空の扉があるべきなんだが……。
先に罰を受け取らなければ僕達が起こす事柄は成就しない。
しかし、罰を受け入れる覚悟があれば、可能だ。
他に人を亡くした事はあるかい?
自分の責任だと思い込んでいる事で……」
美加が考え込んで言う。
「守だけだと思うけど……」
コーヒーのおかわりを作り美加に手渡しながら学者が言う。
「そうか。ならば君の心の奥が見えるかな?
何にせよ、時空の扉は君を試すだろう。
目を背けなければ 2番目の扉から出られる。
しかし、目を閉じてしまったら そこで終わりだ。
君はたとえ出られたとしても相当の傷を負うことになる」
「目をそむけないで、しっかりと見ればいいのね?」
「簡単にはいかないと思うが、受け入れる事が、出来れば大丈夫だ」
美加はふーっと息をついた。
(又、見たくない自分を見なければいけない)
前にここに来たとき、美加は自分の過去生を見た。
過去生を見、過去生と1つになる事は、非常に辛い体験だった。
誰が自分が大罪を犯した人物だったと認めたいだろう。
たとえ過去生だったとしても……。
自分にも他人にも隠しておきたい。
というよりありえない事と思いたい。
しかしここで時空の扉は現実を突きつける。
美加の過去生の武将は、日本の戦国時代、沢山の人を殺した。
その過去生の自分である武将を美加は許すことが出来なかった、というより私ではないと拒否した。
そして、扉の向こうでは、戦国の武将であった美加と、殺されていく人の痛みを同時に味わった。
殺されていく兵士と殺す武将、それも100人以上の恨みや悲しみが美加の心に、一気に流れていくのだ。
前に来たときには、それに耐え切れず、思わず逃げ出してしまった。
その結果3番目の扉の中で、自責と後悔の念で、集中することが出来ず、瀕死の重傷をおったのだ。
瞑想ではとにかく何も考えない。