美加、時空を越えて
光、じっと美加の瞳を覗き込む。
音楽が鳴り止んだ。
守が 光と美加の傍へ来る。
守「美加さん、次は僕と……」
美加と守が踊りだし、光は瞳の傍へ行く。
光「さっきの話なんだけど、風の流れが変わるって……。
あれはどういう事なんだ。
それと美加はどうやって守君の命を救うつもりなんだ。
救っても次の瞬間には命を落とすだろう」

瞳「前例があるのよ。
自分の命と引き換えに他人の命を救った人がいるの。
これは、私達タイム管理者しか知らない事だから、美加さんも知らない筈なんだけど」

光が グラスの水を一口、口に含みながら言った。
「そんな話、初めて聞いた」
「その方法だと美加ちゃんと守さんは生きる事が出来るわ。
でも美加ちゃんと守さんは長くて80歳、美加さんはその時点で命を落とすわ。
そして、美加ちゃんと守さんの記憶から美加の記憶が消されるの」

光「美加はどうなるんだ」

瞳「美加さんは、消えるわ。
そして、私達の中には美加の思い出だけが残るの」
光「美加が生きた80歳から今日までの美加は?」
瞳「だから思い出だけが残るの。
実際には美加は80歳から存在しない」

光「そんな馬鹿なことが起こってたまるか。
僕は美加に死んで欲しくない」





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