パラドックスガール
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すると、玲央がこっちに来るのが見えたので、「じゃあ」と言ってその場を離れようとした。
とき、


「待って!」


手首を掴まれ、あたしの動きは停止させられた。
市橋君に目を向けて首を傾げてみせると、相手は再び慌て始めた。


「…何?」


少しいらつきながら尋ねてみた。
あたふたしてた市橋君は、あたしの手首から手を離し、姿勢を正す。



「す、好きですっ。付き合ってください!」



生徒玄関にいた生徒と教師全員が、こちらに注目したのは言うまでもない。


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