穢れなき雪の下で
「こんな日に、一緒にディナーするんだから別に恋人同士だと勘違いされても構わない、くらいには思ってるよ」

「そう?」

俺の、持って回った言葉の意味の真意には気づいてないだろうに、ミユの顔がぱぁっと明るくなる。


ここまで屈託のない笑顔が出せる人間を、俺はあまり知らないほどだ。

「良かった。
 じゃ、行こう」


ミユは、躊躇いもなく俺の手を掴む。

残念ながらそれは、恋人同士が手をつなぐように、ではなく。
まるで、飼い主が愛犬のリードを引くような仕草にしか見えないけれど。
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