穢れなき雪の下で
そんな、俺の心の声に彼女が気づくはずもなく。

深刻な顔で唇を開く。


「ここの先にね、イタリアンレストランがあるの。
 そこで、かっちゃんがバイトしてるんだ」

びっくりしちゃった、と、無理やり笑って見せる。


かっちゃんというのは、兵頭克己――

先日、俺にミユの件で電話をしてきた、大学時代のミユの元彼のことだ。
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