穢れなき雪の下で
でも、と、彼女の真剣な瞳を盗み見しながら思う。



毎回毎回、こんなに真剣に恋をしながらあっさり捨てられる男にはなりたくない――と。



あんなに、ある日までとある男に夢中だったのに、しばらくしたらそんなことまるでなかったかのように、別の男の話ばかりし始める。


まるで、熱に浮かされたように。
まるで、何かに憑りつかれたかのように。


熱く、強く、甘く。
紅い唇を開き、その、少し舌足らずな舌をこれでもかというほどに動かして。

うるんだ瞳を俺に向けて、語る。


――そんな、彼女の【彼氏の一人】には、されたくない――と。
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