家族の時間
5月4日
ウェディングドレスは綺麗に仕上がった。
「綺麗!お母さんのウェディングドレスを仕立て直して良かった。」
あかりは和宏と二人で式場に打ち合わせに来ていた。
「あかり、これでおじさんと一緒にヴァージンロード歩けるな。」
和宏の言葉にあかりは頷いた。
ウェディングプランナーの真田とお手伝いの真穂と鞠子がやってきた。
「綺麗〜。」
真穂と鞠子はその言葉しか無かった。
「これで、6月2日に大丈夫ですね。必要なものはほとんどそろいました。」
真田はノートを見ながら言った。
「最終的な確認は結婚式と披露宴の最終打ち合わせの後にしましょう。」
あかりはウェディングドレスを触っていた。
「真田さん、ありがとうございます。ウェディングドレスが決まらなかった時にお母さんが着ていた事、思い出してくれて、本当にありがとうございます。」
あかりと和宏は真田に頭を下げた。
「支配人とお母さんが結婚式をした時が、私の初プランナーだったの。だから、覚えているの。」
真田は微笑んだ。
< 115 / 201 >

この作品をシェア

pagetop